[お話を伺った方]
株式会社ジェイアール東日本企画
プラットフォーム開発局
宮﨑 元希様
ワンタッチ面会テレビ「ソバニル」は、JR東日本グループの社内公募「ON1000(オンセン)」から生まれた新規事業で、入院中でも家族を近くに感じられる空間を作りたいという思いからスタートしました。タブレットの画面表示をワンタッチで開閉するだけで、子どもから機械操作に不慣れなシニアまで、直感的に使えるツールです。ユカイ工学では、入院患者がベッド等から遠隔で操作する際に使うリモコンのデザイン提案とプロトタイプの開発を担当しました。
– 全社内公募1,000件から選ばれた、関わる人を笑顔にしていきたいという強い想いと、原体験から生まれたアイデアとは。
ソバニルは、JR東日本グループ新規事業創造プログラムON1000というコンテストから生まれたサービスです。既存事業の延長線上ではない”非連続な”新しいサービスをつくることを目的とした社内公募があり、7万人規模の全社員から約1,000件の応募が集まりました。その中で優秀賞に選ばれたのがこのアイデアで、私自身の原体験――長期入院した家族への想い――が出発点になっています。「入院中でも家族を近くに感じられる空間を作りたい」という使命感をもって始めました。最初は個人発案でしたが、実証実験を重ねて社内承認を得て、今では複数人のチームで事業を進めています。
– ユカイ工学が手がけてきたプロダクトの中に、笑顔にできる魅力や可愛らしさがあったこと。
最初はグループ会社と一緒に作っていましたが、ハードウェアデザイナーがいるわけではなかったので、もっと使いやすく改良したいという気持ちがありました。ソバニルのデザインを、シンプルでわかりやすく、年齢問わず誰でも使えるものとしたかったので、「ユニバーサルデザイン・開発デザイン」などでネット検索してユカイさんにたどり着きました。BOCCOやQooboなど、これまで目にしたことのある温かみやかわいさを持つプロダクトを作っている会社さんであることを知りました。
ソバニルのターゲットは病院に入院している方も含まれており、患者さんは何かしらの課題があって入院しているので日々不安を抱えながら過ごしています。そういう暗くて不安な気持ちを少しでも明るく、ほんわかする気持ちになって欲しいと思い、ユカイさんに依頼しました。

– コンセプトやデザインにおける優先事項を踏まえ、クイックにアイデアを具現化。
わたしの元々のキャリアは広告営業なので、お客さんへのヒアリングやアイデア作りはできますが、それを実際のプロダクトとして具現化することはできません。新規事業を担当していると、最初は基本否定されることが多いので、否定こそがアドバイスと理解できるまでも時間がかかりましたし、どうしても不安になってしまうこともありました。そんな中、ユカイさんはサービスコンセプトに共感いただいているので心強かったです。
ボタンの優先順位や、患者や医療従事者の押しやすさを考慮したデザイン
デザイン案を3Dプリンターで3つ提案いただいて、考えてもいなかった扉のアイデアがあったり、場所を取らないデザインだったりと提案の中からも学びがありました。患者が押し間違えないようにと、ボタンの優先順位も大変わかりやすく、スムーズに検討が進みました。

アイデアをブラッシュアップし、完成したリモコン
– 病室が寂しい空間ではなく、家族と暮らせて、自宅にいるような温かい空間にしていきたい。
今はJR東京総合病院に新設された一部個室に導入しており、今後全個室への導入を目指しています。全国の他病院への展開も進めており、病室が寂しい空間ではなく、家族と暮らせて、自宅にいるような温かい空間にしていきたいので、ソバニルがその一助になると考えています。
また、医療関連の学会に出展したことで声をかけていただき、入院期間が長い整形外科や血液内科、家族とのつながりが大切な緩和ケアや親子の付き添い入院では特に需要が大きいと感じていますし、産科など短期入院でも需要が高いという発見もありました。今後は企業連携も強化し、様々な活用シーンへの導入を繰り返し、スケールを広げていきたいと思っています。

ソバニル公式サイト:https://sobaniru.com/
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