超高齢社会におけるセコムの新たな価値創造をBOCCOが支援!

セコム株式会社

写真右:奥村様 写真左:河村様

セコム株式会社 SMARTプロジェクト 担当課長 奥村 政彦 氏
セコム株式会社 SMARTプロジェクト 主任 河村 雄一郎 氏

Q.SMARTプロジェクトの発足の背景を教えてください。

A.弊社は、セキュリティ事業をはじめとして、防災、メディカル、保険事業といった7つの事業を展開し、世の中に安全/安心を提供し、人々に豊かな生活を送ってもらうことを目指しています。そして、超高齢社会の深刻化をはじめとした社会の変化、リスクの種類や質の変化に対応するために取り組んでいるメディカル事業とセキュリティ事業の二つの事業を有機的に融合させ、超高齢社会において本当に役に立つサービスを生み出すために、2014年にSMARTプロジェクトが発足しました。

 

Q.どんなアプローチで取り組まれているのでしょうか?

A.超高齢社会の根本的な問題は、『支える人が減り、支えられる人が増えるバランスの不均衡がある』と考えました。支えられる側の人々には、より健康にする、症状の改善や重症化を防ぐ取り組みが必要です。また、支える側の人々にとっては、業務の効率化のためのICTや、医療・介護領域だけでなく、生活基盤においてもいざという時に人が助け合う地域ネットワークが必要です。こうした課題をセコムグループ全体でいかに解決するかを考え、2015年から訪問看護ステーションや薬局、有料老人ホーム、提携病院などグループで多くのインフラを構築している久我山地区で、高齢者のお困りごとにワンストップで対応する拠点として「セコム暮らしのパートナー久我山」を開設しました。プロダクトアウトで提供するサービスも多いのですが、当プロジェクトでは、サービス提供側の自己満足にならないよう、顧客のニーズに寄り添いながら、ご高齢者が困っていることや、求めているものを徹底的に聞く姿勢で取り組んでおります。ニーズをつかむために一定期間無償でご高齢者のお手伝いもさせていただいたこともありました。セコムの事業の中でも、こういったアプローチで取り組んできたものは珍しいと思います。

 

Q.実際に取り組んでみて分かったことを教えてください

A.世の中に公的・民間も含めて沢山の優良なサービスがありますが、ご高齢者はそこにたどり着くまでの「ほんのちょっとした点で困っている」のだと分かりました。例えば、「台風で雨戸が外れた」、「手のひらサイズのクモがお風呂場に出て誰に頼めば良いかわからない」、「馴染みの税理士さんが廃業して相談相手がいなくなってしまった」、などですね。そして、それを世の中にあるサービスで解決しようとした際に、手間暇がかかり、ご高齢者の思いに応えきれていない実情も認識しました。そして、実際に我々がお手伝いをしてみると、こうした「ほんのちょっとしたお困りごと」の多くは専門的な技能や特別な資格を持たない人間でも解決できてしまうことだったということも分かりました。また、ご高齢者のお困りごとについては数多くの調査結果が公開されていますが、実際にはご高齢者は、自分が本当に困っていることに気づいていない為、アンケートやインタビューでは実態が見えていないこともあると感じています。世の中には様々なサービスはありますが、良いサービスがあっても辿り着かなければ意味がありません。

 

Q.実際にお困りごと解決支援サービス「セコム・マイホームコンシェルジュ」を提供してみての課題はどんなところにあったでしょうか?

A.セコムの先輩達が築いてくれた『セコム=安心』というブランドがあったおかげで、地域に入ってサービスを進めることが出来たと感じています。一方で、いざ、地域の人々の困りごとを助ける「セコム・マイホームコンシェルジュ」のサービスを始めると、労働集約的で、業務の効率化を図る必要があるなと感じました。しかし、ご高齢者がお客様ですので、実際のサービスの自動化は思った以上に難しいのです。どうしても、「最後は人の助けが必要になるんだな」と感じました。そして、ご高齢者にとても喜んでいただいていた電話や訪問による日々の声かけも、利用者様が増えてくる中で、きめ細かく行うことによる負担が大きくなり、コミュニケーションツールのIoT化が出来ないか、コミュニケーションロボットの活用が出来たら、と考えるようになったのです。

 

Q.BOCCOを活用した世間話のIT化の取り組みについて教えてください

A.私たちは電話のように、ご高齢者とのコミュニケーションがスムーズに実現できるデバイスを探していました。その条件を踏まえてたどり着いたのがBOCCOでした。タブレットやAIスピーカーなども色々試してみましたが、使いこなせるまでのハードルが高く、なかなか使うことができずに「私には無理」と諦めてしまうご高齢者も多かったですね。プッシュ通知の機能を用いて、電話の代わりに自然に使いこなせるものとして、他にも様々なロボットを試してみましたが、BOCCOとの相性が一番良かったです。もちろん、使いこなすまでのハードルはあったのですが、ユカイ工学の営業の方が、一生懸命にBOCCOの使い方を提案してくれた為、最終的にはうまく使えるようになりました。

 

Q.BOCCOを利用した反応はいかがでしたか?

A.特に女性からの評判が良いですね。小さい頃に人形遊びをしていて感情移入しやすいのでしょう。男性の方がロボットに話すことに抵抗感があるように感じられました。世帯構成やご年齢によってはあまり反応の違いがないということも分かってきました。もちろん、操作感はシンプルといいつつも、お話の仕方、お返事の仕方、押したままおしゃべりする機能などを理解して使いこなせるまでに何度か繰り返し説明する必要がありました。ただ、対応しているスタッフは、これまでと違う新しいことに一から取り組めてワクワクしていますね。メッセージを送るにもどうするか色々考えてくれています。BOCCOを通じて返事をする時、丁寧さと親密さのバランスをいかにとるかは悩みますね。機能面でいうと、現状のBOCCOのスマートフォンのアプリは、沢山のご利用者様の情報を一つの画面で見る想定のユーザーインターフェースではないので、新着情報を探すのに苦労することはありました。

 

Q.本サービスに向けた課題を教えてください。

A.個別の機能に関しては改善すべき課題はいくつかありますが、ご利用者様の喜んでいる顔を見ているので、必ずサービス化を成功させたいです。今後はご利用者様の数を増やしていく中で、どうやったらご利用者様がよりコミュニケーションを取りやすくなるのか、などを探っていきたいと思っています。セコムは「水と安全はタダ」だと言われていた時代に、安全ということに対して価値をつけてきた会社です。今回、BOCCOを通して「コミュニケーション」の価値を高めようとしています。普段意識していない、「コミュニケーション」の価値をいかに示していくかが、今後乗り越えるべき課題の1つです。

 

Q.ユカイ工学への期待を教えてください。

A.BOCCOの良い点は、BOCCOを中心に様々な要素がつながるインターフェースであり、医療・介護の領域が届かない人々にもアプローチ出来ている、セコムを利用しているお客様にプラスの付加価値を与えられるポテンシャルを備えていることです。今後、BOCCOを本サービスとして展開し、その価値を多くの人に享受して頂きたいと考えております。また、例えば、生活習慣病を改善するための生活指導は、ご高齢者にとって頭では分かっていても気が重くて取り組めないことです。そんな課題に対して、本人が「ユカイ」に取り組めて、シンプルで分かりやすいテクノロジーで解決出来るよう、是非一緒に進めていきたいと考えています。

 

■参考

・高齢者のQOL維持・向上を目的とする「コミュニケーションサービス」の実証実験

https://www.secom.co.jp/corporate/release/2018/nr_20181109.html

・セコム・マイホームコンシェルジュ

https://www.secom.co.jp/personal/concierge/

 

もどる