総合エネルギー企業の新規事業開発支援

中部電力株式会社 前沢様/ 株式会社プレステージケア東海 伊藤様、川嶋様、山本様

Q.新規事業の取り組みと、ベンチャーと手を組むことになった背景とは

中部電力株式会社 前沢様

A. 弊社は、これまでのエネルギー事業に加え、「新しいコミュニティの形」を実現する新規事業の展開により、「新たな価値をお客さまへ提供する」とともに新たな収益の柱へ成長させることをビジョンとして掲げています。弊社がこれまで培った強みと、近年発展が目覚ましいIoT技術等を組み合わせ、社会課題の解決を繋る多くの新サービスの立ち上げを検討しています。ただ、自社だけではアイデア創出が困難な側面もあり、2017年と2018年にオープンイノベーションプログラムとして、ベンチャー企業様から弊社リソースを活用した新規事業アイデアを募集しました。その中でユカイ工学さんから「BOCCOを活用した高齢者への声掛けサービス」のご提案を頂いたのがきっかけとなりました。

 

 

写真:前沢様

 

株式会社プレステージケア東海 伊藤様

A. 介護業界が深刻な人手不足に直面している中で、5年、10年先には、ロボットの開発が進んで様変わりするだろうと考え、情報収集をしておりました。そんな丁度よいタイミングで、中部電力の前沢様からご連絡頂いた為、今回の実証実験を受けることにしました。情報収集の過程で様々なロボットメーカーの話を聞いたり、試したりしてきましたが、ユカイ工学のロボットは「コミュニケーション」という切り口に注目しており、独居高齢者の話し相手になるのではと、大変興味を持ちました。レトロなデザインが受け入れられるか心配でしたが、時間が経つと「お別れするのが寂しい」という高齢者の方が多く、実証実験に協力して良かったと思います。

 

 

写真:伊藤様

参考)BOCCOを活用した高齢者への声掛けサービスの実証実験

https://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2018/09/19/20180919.pdf

 

Q.ロボットを活用したサービス参入に抵抗はなかったのか

中部電力株式会社 前沢様

A.弊社として過去に経験が無いサービス領域ではありますが、これまでエネルギー事業で培った当社の強みやお客さまとの繋がり、また今後のロボット技術の必要性を考えると抵抗感は感じませんでした。ただ、ターゲットやサービス内容、価格の受容性等のブラッシュアップと、サービス化への判断のため、実証実験は必須だと考えていました。本サービスの要点は「弊社が家族と離れて暮らす高齢者とコミュニケーションを図ることによる家族への安心の提供」並びに「高齢者の孤独、不安感の解消や認知症の予防」ですが、実証実験を通じ、BOCCOの通信技術やセンサ技術はこれらの要点を満たすのに充分有効であることを確認できました。

 

Q.実証実験の成果と事業化するにあたっての課題とは

中部電力株式会社 前沢様

A.利用者ご家族からは「会話内容やセンサ反応から、親の生活状況がわかり助かる」、利用者ご本人からは「何気ないことでもBOCCOを通じて対話することで生活にメリハリができた」「話し相手ができて寂しくなくなった」という反応を得られました。かわいらしいデザインとシンプルな操作性も利用者から好印象を得られた要因であったと感じています。一方で、声掛けのパターンや会話の深みをどこまで持たせるべきかという点や、会話の相手が増えた場合の弊社オペレータへの負荷をどのように軽減するかという点が課題ですね。利用者のニーズとコスト面のバランスをいかに設計するかが重要であると思っています。

 

Q.ロボット声掛けサービスに携わってみた感想は

株式会社プレステージケア東海 川嶋様、山本様

A.私自身がケアマネージャーの経験があり、独居高齢者の方や周囲の方の苦労を身に染みて感じていました。そのため、BOCCOがその不安を埋めてくれるのではないかと直感的に感じました。(写真左:川嶋様)

 

A.他社の歩行型のロボットを想像していたので、はじめてBOCCOを見た時、「わぁ、小さいな」「声は気に入ってもらえるかな」と少し心配になったことを覚えています。同時にこのような新しい取り組みを行うあたりが、さすが「高齢者の毎日を幸せにする」というビジョンを掲げる企業だなとも感じました。(写真右:山本様)

 

A.実証実験にご協力頂いたご入居者(女性)は、「お人形さんがお薬の時間を教えてくれるの」と周囲の入居者の方に親しみをもってお話されていました。また、ご家族の方もセンサや声掛けのデータを把握することで、遠く離れた親御さんの生活が分かり安心したとおっしゃっていました。当館のスタッフも実証実験中はBOCCOの事は言及することが無かったのですが、実証実験が終わったとたん時間通りにお風呂に来なくなったご入居者の方がおり、実はお風呂やお薬の声掛けをBOCCOが代替してくれていた事に気づくことがありました。それ以外にも、高齢になるとどうしてもお部屋のエアコン調整を間違ってしまうことがあり、毎日2~3回、お部屋の温度を確認しなければならないのですが、その点でもBOCCOと連携した部屋センサが実は効率化や(脱水症状等の)事故防止に役にたっていたと思います。(写真右:山本様)

 

 

 

写真左:川嶋様 写真右:山本様

 

Q.本プロジェクトやユカイ工学に今後期待することを教えてください

中部電力株式会社 前沢様

A.BOCCOは単に高齢者の話し相手で終わるものではなく、生活の中での困りごと(例えば食材・日用品の配達や地域サービスの予約等)を一手に引き受ける役目にもなれると感じています。そのため、様々な業界との協業により、高齢者を始めとした生活弱者の目線に立ったサービスの拡張を考えており、弊社のビジョンに掲げる「新しいコミュニティの形」の一翼を担う事業に成長させたいと思います。ユカイ工学さんには、社会構造の変化に伴い、変わり続ける課題を解決するためのテクノロジー面でのパートナーであり続けて欲しいと思っています。

株式会社プレステージケア東海 伊藤様、川嶋様、山本様

A.これまで多くの高齢者の方が自宅から弊社サポートマンションへ入居する姿を見てきましたが、やはり「自宅に最後まで住み続けたい」という想いは強いと感じています。弊社グループは「住まいを通じて生涯のおつきあい」という考えを大事にしておりますので、ご入居頂く方だけでなくそのご家族、近所の方、地域社会など弊社に関わるすべての方々に目を向けて、弊社サポートマンションを中心とした輪を地域まで広げていきたいと考えています。BOCCOはそのハブとなってくれることを期待しております。(伊藤様)

A.スタッフは、ご入居者から依頼がなければ基本的にはお部屋に入らないので、食事以外はどのような生活をしているか分からず、室内での転倒などの事故に気づきにくいことが課題でした。今回の実証実験で、BOCCOと連動したセンサを活用し、トイレやリビング等の活動データを時系列で確認できることで、スタッフも室内の生活感を知ることができました。今後機能を拡張することによって、高齢者施設に移り住まなくてもご自宅で老後を過ごし続けることも出来るようになるのではないかと期待しています。(川嶋様)

A.ご夫婦だけで住まわれている高齢者は、お子さんと疎遠になっていることが多く、孤独死等に繋がりやすい状況にあります。BOCCOを通じた声掛けが不安や孤独を癒したり、センサの情報が遠くの家族だけでなく近隣の介護事業者にも届き、地域全体で見守れるような仕組みが構築できたらいいなと感じています。(山本様)

 

左から、川嶋様、山本様、伊藤様

 

■企業紹介

・中部電力株式会社様

https://www.chuden.co.jp/

・株式会社プレステージケア東海様

http://www.prestige-care-tokai.co.jp/

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