西村経済産業大臣のフランス視察に、日本のスタートアップ15社の一員として同行

2023/7 インタビュー・イベントレポート

2023年5月、西村経済産業大臣がフランスを訪問するのに際し、現地のスタートアップ・エコシステム関連施設の視察及び関係機関、フランス経済界とのネットワーキングが開催されました。

フランスでは2013年から国を挙げてスタートアップ支援が進められており、企業家、投資家、公的機関などが一体となってエコシステムを強化したところ、ユニコーン企業を創出する国へと発展しています。

ユカイ工学は日本のスタートアップ15社の一員として、経済産業省(以下経産省)、ジェトロ(以下JETRO)、NEDOの皆様にサポートいただき、フランス・スタートアップミッションに参加しました。

StationFにて
StationFにて

 

フランス滞在中は、西村大臣、鈴木内閣府大臣政務官とスタートアップ各社がみっちりと議論をする朝食会から、BPIフランス(フランス政府公的投資銀行)との意見交換、フレンチテックやスタートアップ約1,000名が入居するStation Fの視察などを行いました。

◆西村大臣との議論

各スタートアップから日本の規制やスタートアップ支援策についての意見・要望を1社1社深掘りして聞いていただいた後、その場でどんどんと改善策を出していくというスタイルで、非常に濃密なものでした。議論を通して、大臣をはじめ、経産省の方々のスタートアップにかける本気度を感じることができました。また、我々スタートアップ側も要望するだけでなく、行政の仕組みへの解像度を高めていく必要がある、という学びもありました。

西村大臣との朝食会をはじめ、現地の経済界とのネットワーキングにおいてユカイ工学のロボット達(Qoobo甘嚙みハムハム、CESイノベーションアワード2023を受賞したfufuly)を紹介する機会がありました。

左から鈴木内閣府大臣政務官と甘噛みハムハム、代表青木とQoobo、西村大臣とfufuly
左から鈴木内閣府大臣政務官と甘噛みハムハム、代表青木とQoobo、西村大臣とfufuly

 

西村大臣や視察関係者だけでなく、フランスのスタートアップ業界の皆さんにも大人気で、多くの方の笑顔を見ることができました。少なからず、日本のスタートアップのユニークさを印象づける貢献ができたのではないでしょうか。

※フレンチテック:2013年に政府主導で始まったスタートアップ支援プログラム。起業家、投資家、アクセラレーター、公的機関などが一体となりエコシステムを強化している。
※Station F:世界最大のスタートアップキャンパス。建物内にはスタートアップや投資家が入居。ピッチ場所の提供をはじめ、彼らをサポートするために必要なものを集積した施設。(https://stationf.co/

 

◆フランスではユニコーン企業が続々と誕生

フランス政府は2019年に「2025年までにユニコーン企業を25社」の目標を掲げ、2022年には達成しています。今回視察させていただいたStation Fをはじめ、スタートアップを支援する豊富な機関やプログラムの設立により、前倒しで達成したと言われています。

日本のスタートアップも技術力・イノベーションでは見劣りしません。しかし、フランスのスタートアップは最初からグローバル市場を前提としており、そこが日本と大きく異なる点と言えるでしょう。また、EU圏だけで日本のGDPの3倍という巨大な市場があり、そこからさらにアジア・アメリカ市場にも隙あらば出ていこうという意志が強く、日本とのグローバル感覚の差を強く感じました。

Station F

 

注目したユニコーン企業

・Exotec
フランスでは初めて、物流倉庫用ロボットでユニコーン企業に。日本ではファーストリテイリングがいち早く導入し、今ではヨドバシカメラの倉庫でもこの物流ロボットが活躍中。2022年現在、日本国内では1,000台のロボットが稼働しています。
https://www.exotec.com/ja/

・Ankorstore2019年のローンチから2年でユニコーン企業に。Amazon一色になっていく購買習慣を変え、欧州各地のユニークな小売業者を守るためのオンライン卸売プラットフォーム。大手ECにはない多彩な商品販売を実現しています。
https://www.ankorstore.com

 

◆ユカイ工学の海外市場展開

ユカイ工学では、社内アイデア創出の取組み「メイカソン」から生まれた最新の製品コンセプトモデルを中心に、毎年ラスベガスで開催されるCESに出展しています。2023年には「fufuly」がCESイノベーションアワード2023を受賞した他、Qooboや甘噛みハムハム等のプロダクトは海外でのクラウドファンディングを行っています。ドラえもん等のアニメの影響もあり、中国、香港、タイ、シンガポール等のアジア圏ではロボットへの関心が高く、既にユカイ工学のロボット達も代理店を通じた販売を行っています。、出荷台数では次にアメリカ、UKの順に需要が高いのですが、EU圏は規制も多くまだ本格的にチャレンジできていませんでした。

BPI France (フランス政府公的投資銀行) にて
BPI France (フランス政府公的投資銀行) にて

 

今回の視察において、フランス現地の方々のマンガや日本食を始めとする日本文化への関心の高さから、EU市場に大きな可能性を感じることができました。毎年7月に行われる「Japan Expo」は、24万人もの人が集まる巨大イベントに成長しているそうです。

Station Fの運営の方の中にも、かつて日本に留学していた方や、日本語を話せる方が何人もいらっしゃいました。弊社にもフランス出身のエンジニアが在籍していますし、フランス人の学生からインターンの応募がよく来ます。海外志向の強い国民性なのかもしれません。負けていられませんね。

これからもユカイ工学のビジョンである「1家に1台ロボットのある暮らし」の実現に向けて、日本国内だけではなく、海外にも人々を笑顔にする製品をお届けしていきたいと思っています。

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