AIのためのネットワークの共創。ドコモとユカイ工学が描く6G時代の未来

2025/9 インタビュー・イベントレポート

[お話を伺った方]
株式会社NTTドコモ
6Gテック部 無線標準化担当部長
永田 聡 様

ユカイ工学は、2030年頃の6G商用化に向け株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)が掲げる6Gの価値の一つ「AIのためのネットワーク」の具体化に向け、通信業界の枠を越えた「6G Harmonized Intelligence」プロジェクトに参画しております。ユカイ工学は、人の生態系と共存する自律共生ロボットをテーマに、画像認識やナビゲーション技術を活用した自走式ロボットのコンセプト設計、試作機の開発、展示会での発表を担当いたしました。


– ユカイ工学がこれまで親しみやすいロボットを開発してきたから、6G Harmonized Intelligenceプロジェクトに参画。

永田様
通信会社は、人間が快適に使えるように基地局やネットワークを通信基盤として整備し、その結果、通信網が社会インフラとして浸透してきました。2030年頃に商用化を見据える6Gでは、単なる通信基盤を越え、「AIやロボットのためのネットワーク(Network for AI)」を作り上げることを目指しています。
これまでの通信基盤は人間に合わせて整備されてきたのに対し、「Network for AI」では人間に加えてAIやロボットがより最大限に能力を発揮できるように整備していきます。
そうした議論の中でユカイさんにご相談した理由は、これまで発表してきたロボットたちが「親しみやすく、ワクワクする」存在であったこと。一般的に言われるロボットの「ごつごつとした機械」とは異なるところがユカイ工学さんならではのアプローチだと感じ、コンセプト検討から相談しやすかったです。

– 6G Harmonized Intelligenceのドコモ社内の位置づけと、人以外を中心とする理由

永田様
私たちが推進する6Gでは5つの価値(図1)を定義し、実現に向けて検討を進めています。世界的な技術トレンドで見たときに、AIやロボットはひとつの鍵になりますので、当たり前のようにAIやロボットと共存できる世界や通信環境の整備を進めなければいけないと考えています。

図1

ドコモは通信業者であって、AIやロボットの専門家ではありません。ユカイさんをはじめ、他業界における外部有識者とのコラボレーションによって初めて具現化できるものです。一人でも多くの皆さまに喜んでいただけるものを作りたいというのが私たちの想いです。

– ユカイ工学は自律共生ロボット「DENDEN」を開発。
コンセプトの提案を受けて感じたことと、実物(プロトタイプ機)を見たときの印象は。

都市部の公園や、人のいない / 少ない山間部を含め、より広域エリアにおいて自律的に生息し、
人の生態系と共存することを目指すロボット「DENDEN」

永田様
ユカイさんのコンセプトを聞いて思わず、幼少期の暮らしや祖母祖父と過ごした時間や、日本の古き良き故郷感を思い出しました。打ち合わせを重ねている時に、ユカイさんの場合は人間のためのロボットというところが他社とは異なるコンセプトだと感じています。

ユカイ工学・巽
人のいない川や森に限定したコンセプトになりそうなときに、公園や街中といった人が集まる所もコンセプトに入れたい、と提案しましたね。極論、ディストピア(暗黒世界のイメージ)のようなコンセプトを楽しむ気持ちはありますが、ユカイ工学が作るロボットは、触れ合ったら人が笑顔になる、人と人をつなぐ、インターフェースとしてのロボットが多いと思います。

 


 

ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク2025に展示
撮影するDENDEN(左)と、地点を把握しランダムにお散歩をするDENDEN(右)

永田様
実際にDENDENを見たときの第一印象は、画面越しに見るより本当にかわいく、動くと更に愛着が湧きました。転がっても起き上がれるようなデザイン、DENDENの鳴き声も可愛らしさと親しみやすさがあり、ロボットに親しみがない方や、少し堅苦しいイメージを持っている方にも受け入れてもらえそうな世界観が丁寧に作りこまれている印象を受けました。

ユカイ工学・巽
ユカイが普段作るロボットはQooboとか、自ら動かないロボットが多いのでDENDENではチャレンジングなところも多かったのは事実です。とはいえ、ロボコン出身者が多いので、そこで培った技術を組み合わせて最新技術として取り入れてみたりと、エンジニアリング的に面白かったですね。

– 実現したい未来とは

永田様
社内だけで完結するのではなく、ユカイさんをはじめとする外部有識者の皆さんのアイデアをベースに検討を進められたことは、大きな意味があったと感じています。私自身、2030年をひとつのキーワードに「社会をどう描いていくか」を意識していますが、未来は待って訪れるものではなく、自分たちが思いを持って作り上げていくことが何よりも重要だと考えています。
そのうえで、異なる業界が垣根を超えてつながっていく流れは、これからますます加速していくでしょう。業界同士の境界も自然に溶け合い、当たり前のように連携していく。そんな未来社会を、皆さんと共に築いていければと思っています。

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