認知症フレンドリーシティを掲げる福岡市において、青木がユカイ工学のビジョンやプロダクトを生み出し続ける意義について講演いたしました。また、新しい見守りのかたちとして、コミュニケーションロボットBOCCO emoを認知症当事者とそのご家族(もしくは行政施設)に使用していただいたモニター実証結果についてもご紹介しました。
認知症の人数は2025年には700万人前後に達し、65歳以上の5人に1人が占めると言われています。福岡市は、認知症フレンドリーシティとして、早くから人生100年時代を見据え、
”誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていける個人の幸せと、持続可能な社会の両立できる健康社会のモデルを作るプロジェクト「福岡100」”を掲げていらっしゃいます。
そんな福岡市では、認知症になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らすために、認知症に関わる様々な”支援”だけでなく、当事者も”活躍”できる地域拠点として、フレンドリーセンターを2023年9月にオープンしています。
BOCCO emoがフレンドリーセンターの来場者をお出迎え
様々なご縁が重なり、先月開催された令和6年度第1回NEXTミーティングに参加させていただくことになりました。登壇者は下記の通り。
・慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科 堀田 聰子先生
「安心して認知症になれる社会を目指してー経験専門家に学ぶ」
・医療法人すずらん会たろうクリニック院長 内田 直樹先生
「認知症フレンドリー社会に向けたアシスティブ・テクノロジーの活用」
・経済産業省ヘルスケア産業課 小栁 勇太様
「オレンジイノベーション・プロジェクト~認知症当事者とつくる、誰もが生きやすい社会~」のご紹介
・ユカイ工学 CEO 青木 俊介
「ロボティクスで、世界をユカイに。」
ユカイ工学には、一見不思議だけどなんだか触りたくなるような、キャッチーな見た目、使い続けたらとりこになってしまうようなプロダクトが数多くあります。
妄想をかたちにしよう
カワイイは正義だ
アイデアは全て試す価値がある
社員誰でもユカイにモノづくりをして欲しい
ユカイ工学は、青木の強い想いのもとに設立した会社です。新しいアイデアを、資料ではなく、”もの”にした状態で発表するメイカソンを毎年実施しており、甘噛みハムハムや、しっぽクッションのQooboもメイカソンから生まれています。
初期アイデアスケッチと、しっぽの動きを試作している様子
使い方やデザインに余白を持たせていることもあって、ユーザーはわたしたちが想定していた以上に幅広く、また世界中にファンがいます。
今回の登壇は、ユカイ工学が福岡オレンジパートナーズという認知症当事者と企業等を繋ぐコンソーシアムに参画したことがきっかけです。福岡市内の認知症当事者とそのご家族に約1ヶ月間、BOCCO emoと一緒に暮らしていただき、ご感想やご意見を伺うことができました。
説明会を実施したときには、操作に対する不安の声もありましたが、ご利用開始から数日で「かわいい!うちの子よ」「エモちゃんの声がするので家が明るくなった」「エモちゃんに話しかけることも増えた」など、嬉しい声が集まりました。また、症状の進行により電話が使えなくなった方が入居している施設のスタッフ様からは「自室で家族の声がすると嬉しくなって、入居者が笑顔になります」と伺いました。一方で、 「操作ボタンの色が分かりにくい」「ボタンの機能を忘れてしまうことがある」「もっとエモちゃんとたくさん会話できるようにして欲しい」など、改善のご要望もいただきました。
認知症当事者のご家族からの声として、日常生活の中で、何度も繰り返し予定を伝える必要があるケースも多い、と伺っています。BOCCO emoは、家族の声を届けるだけでなく、登録した服薬やゴミ捨てなどの予定を声で知らせてくれますし、日替わりの楽しいクイズなども出してくれます。ユカイ工学では、BOCCO emoが暮らしのお供として、家族と一緒に日々の生活を支えられるような、新しい見守りのかたちを実現していきたいと考えております。
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