ロボット活用で顧客エンゲージメントを強化

合同会社ネコリコ|人と人をつなぐコミュニケーションロボット

センサを設置するだけでLINEで家の状況を伝えてくれる「ネコリコホームプラス」。このサービスに、ユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を新たに取り入れたことで、見守りに加えてもう1つ『話す』というアクションが加わったサービス展開を可能としました。

また、元々はITリテラシーの高い30代前後の家庭を想定して提供されていた「ネコリコホームプラス」が、人に優しいインターフェースである「BOCCO emo」を通すことで高齢者に心理的不安が少ない見守りを実現しています。

サービスサイト:https://www.necolico.co.jp/emo/


合同会社ネコリコ × ユカイ工学 開発事例紹介

[お話を伺った方]
合同会社ネコリコ 代表:木全 英彰 様、
合同会社ネコリコ 開発部 担当部長:近藤 淳 様 インタビュー
 

LINEからコミュニケーションロボットへのサービス展開と、顧客エンゲージメントの強化

– どのような事業に取り組まれていますか?

合同会社ネコリコは、お客様の困りごとを解決するホームIoTの普及を目指し、2018年に立ち上げた会社です。初期はセンサを設置するだけでLINEで家の状況を伝えてくれる「ネコリコホームプラス」を展開しました。

そのプロダクトを通して、高齢者の見守りニーズが高まってきていることを感じ、新たに法人・自治体向けにセンシング型みまもり支援サービス「独居ケアアシスタント」の提供を始めました。後に高齢化問題を解決する消費者向けのサービス「まもりこ」としても提供しています。

また、見守りに加えてもう1つ『話す』というアクションを加えた形で「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」の展開も始まっています。

シンプルな見守りに加えて「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」の提供を始めたきっかけは?
最初は「ネコリコホームプラス」の情報を配信するメディアの1つとして、コミュニケーシ ョンロボット「BOCCOemo」を使うことを考えていました。ネコリコホームプラスというサービスが、LINEアカウントに様々なセンシングデバイスを紐づけて、その情報をLINEに表示するというもので、それと同様に、BOCCO emoで配信しよう、と考えました。

BOCCO emoの法人パートナーとしてユカイ工学と提携させていただき、開発を進めていくなかで「BOCCO emoなら、LINEの枠組みにとらわれずにデバイスと連携するサービスが提供できるのでは」と感じました。

 

– ロボット以外のデバイスを採用する計画は、なかったのでしょうか?

スマートスピーカーの活用も検討したのですが、初期開発の予算感が全くあわなかったり、出来ることが限られていたりと話が進まず実現しませんでした。

「ネコリコホームプラス」のセンサで部屋の温度がわかる機能は熱中症対策として、ファミリー層よりも高齢者の住まいに必要なのではないかという話が出ていたんです。

例えば、高齢者向けの場合、Wi-Fi利用前提のデバイスは導入が困難です。ゲートウェイにLTEを載せる構想もありましたが、プロダクトが高額になってしまい、ターゲット層への提供感とマッチしませんでした。

また、高齢者向けに展開していくのに、スマートスピーカーの見た目も筒型ではなく、ぬいぐるみを被せるなど何かしら見た目に親近感が持てるものにする必要があるといった議論もありました。そこでBOCCO emoの存在を知って、これならデバイスを活用したサービスが提供できるのではと思い至りました。

 

– 実際の開発はどのように進んだのでしょうか?

BOCCO emoの法人パートナーになったことで、開発に必要なAPIの仕様もすぐにいただけましたし、Slackでいつでも開発者同士が直接確認できたりと、開発は非常にスムーズでした。ネコリコも少数精鋭のメンバーでの開発をおこなっており、ユカイ工学とカルチャーや進め方は大きな違いを感じなかったということもありますね。

BOCCO emoのチャンネル開発については、仕様を元にネコリコの方で独自に進め、ハードウェア(ファームウェア)部分についてはユカイ工学に開発を進めてもらいました。例えば、ウェイクワードという、いわゆるVUI(Voice User Interface)と呼ばれる部分についてはチャンネルの開発では実現できない部分があります。

そのため「BOCCO emoに、あるキーワードで声をかけただけで起動する」のが望ましい機能がいくつかあったため、これをオリジナルファームウェアとして開発してもらいました。

コロナ禍の影響で想定よりも時間はかかりましたが、それでも開発スピードは早く、結果1年程度で世に出した形となっています。

 

– サービスご利用者様の反応はいかがですか?

高齢の親を持つご家族に、確実に受け入れられていると感じています。気軽にトライしていただくために、デバイス購入だけではなく、レンタルプランとしても提供しており、大変ご好評いただいているため、追加生産も計画しています。

またBOCCO emoの見た目の愛らしさから、女性に特に好評ですね。楽しくBOCCO emoと会話しているだけで「元気に暮らしている」という見守りになっているのも、いい形だと思います。

電源を繋いだだけで全ての設定が完了するようになっているので、離れて暮らす家族にとっても、普段ご利用いただく高齢者の方にも使い勝手がよく、安心してお使いいただけています。

この起動のところについて、実は開発時にユカイ工学と結構話をさせてもらったところなんです。開発していく上で機能開発そのものでつまづくところはなかったのですが、センサがデータを取得する頻度や、利用者様がデバイスを通して体験する部分の作り込みは仕様書に初期から落としづらい部分ではあったので、そこは両社で細かくやりとりして調整していきました。結果、いいものができたと感じています。

– 今後の高齢者向けのサービス展開の計画や、ユカイ工学への期待はありますか?
これまでの「高齢者見守り」だけでなく、見守る家族も見守られている家族も元気でいられるようにという点が課題になってきています。要介護とはいかないまでも、健康とはいえない身体的機能や認知機能の低下が見られる状態を指す「フレイル」という言葉があります。2014年頃から社会課題として認知されていましたが、コロナ禍を経て更に大きな問題になってきています。

遠く離れた家族と電話などで話は問題なくできていたとしても、それが本当に元気な状態かどうかがわからない問題があります。これを解決していくことで、高齢者の方が今まで住み慣れた場所で、住み続けられるようにしたいと考えています。

現在、自治体とも協力して進めていて、フレイルを家族だけではなくて地域的な取り組みで解決していけるようなサービスを提供していければと考えています。BOCCO emoを通して、問診形式で判定するといった機能を開発や実証実験を進めています。ユカイ工学様と今後も様々な機能開発を繰り返しながら、新しい価値を提供していきたいですね。

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