高齢者向け健康プログラムがオンラインでもフレイル予防に成果。RIZAP・JDSC・ユカイ工学の3社合同実証で、体力年齢マイナス27歳の若返りを達成

2022/6/16 ニュース

音声サポートが継続の鍵!利用者のオンラインプログラムをファミリーロボット「BOCCO emo」が発話と会話で支援

「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げ、数多くのコミュニケーションロボットやIoTプロダクトを企画・開発するユカイ工学株式会社(本社:東京都新宿区、代表:青木 俊介)は、スマートキャピタル株式会社(代表取締役社長 重光 孝司、本社:東京都港区)の協力のもと、RIZAP株式会社(代表取締役社長 瀬戸 健、本社:東京都新宿区)、株式会社JDSC(代表取締役社長 加藤エルテス聡志、本社:東京都文京区)と3社合同で、三重県桑名市での健康寿命延伸サービスの実証実験が完了しましたので、その結果をお知らせいたします。

ユカイ工学のファミリーロボット「BOCCO emo」は、誰もが簡単に操作でき、親しみやすいデザインやインタラクションで、高齢者の負担なくオンラインプログラムの継続的な活用や発話数の増加を促し、健康寿命延伸へ貢献することができました。

今後も「BOCCO emo」がフレイル予防につながる継続的な運動や生活習慣を”身近な伴走者”としての支援やリマインドを行い、高齢者をはじめ生活者の健康維持や暮らしに寄り添う存在であるための進化を続けて参ります。
※フレイルとは、加齢に伴い心と身体の動きが弱くなってしまう状態

実証実験結果

体力年齢改善によりフレイルリスクが改善
高齢者介護予防の3つのハードル:①モニタリング(データ収集)②ITリテラシー ③リクルート(参加と継続)を下げることにより体力年齢がー27歳、参加者平均年齢と比べて「-14.8歳」に改善できたことで、フレイルリスクの改善が連動して見られ、実施前の簡易フレイルインデックスの調査からフレイル、フレイル予備軍に該当する方に効果がありました。
赤・黄信号が減少して青信号へ、実施前から実施後で改善する方が増加になりフレイル予防に繋がりました。



▲ 青信号が倍に増加

一方でコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を使用した継続支援では、共通言語を使用して特別感を演出して高揚感を得られました。また、報告リマインド(運動終了・食事内容)を行うことでポジティブな言語、日常生活の発話数の増加になり参加率、継続率の推移が顕著に表れました。

【参加率】
初回:62% 7回目:90%
*8回の内7回目まで遠隔にて実施

【継続率】
初回:75% 7回目:85%
*8回の内7回目まで遠隔にて実施
*初回のみ1日のデータ

※下記の図はコミュニケーションロボット「BOCCO emo」がとらえたワードの変化を可視化したものです。

2ヶ月のワード変化

ITリテラシーのハードルを下げコミュニケーションロボット「BOCCO emo」とデバイスを連動させたことにも効果があり、アンケート内の遠隔指導内でデバイス操作の難易度調査では、「簡単・普通」と答えた方が100%、「難しかった」と答えた方が0%の結果となりITリテラシーのハードルを下げコミュニケーションロボットとデバイスを連動させたことによる効果がありました。
この度の実証実験では、高齢者の行動変容を促すことでフレイル予防を実証できました。

3つのハードルを下げることによる効果


▲ 参加者の実施風景

コロナ禍に於けるニーズに合わせたソリューション提供、オンライン実施を主軸としての効果として参加率平均が78%、行動管理サポートとしてコミュニケーションロボットを導入し、共通言語を使用して特別感を演出、発話リマインド(テキスト内容、運動終了、食事内容)、動画配信ITデバイスを連動させて実施した結果、継続率平均84%となりました。

ロボットを通じての寄り添いや言語によるサポートでのデバイスの使いやすさなどで積極的に取り組んだ結果と各回終了後、日々の復習が体力年齢改善の要因となりました。

また、身近な電力消費量からの非接触センシングを活用してのフレイル検知AIを用いたフレイル判定から、高齢者の運動プログラムによるフレイル状態の改善、健康寿命の延伸に繋がる可能性を確認できました。

実証実験概要

・実施期間:2022年1月8日(土)~ 2月26日(土) ※約2カ月
・実施場所:三重県桑名市
・実施方法:RIZAPトレーナーによりコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を使用した自宅での遠隔による運動指導と食事指導
・電力データ取得によるフレイル検知:2022年3月30日(水)まで実施 ※一部フレイルチェックは2021年12月に実施
・参加人数:21名 (男性:11名/女性:10名) ※一般募集&市役所からの声掛けを頂いた
・年齢平均:61.8歳 (男性:63.5歳/女性:60歳)
・最高年齢:男性:74歳/女性:72歳
・プログラム内容:毎週土曜日 17:00から40分間3種目のトレーニング、毎日の宿題として10分間、土曜日に行なったトレーニングを繰り返し実施

実施後アンケート結果

※回答人数:19名

Q.実証サポート事業に参加して良かったですか?

「はい」と答えた方が84%、「いいえ」と答えた方が0%でした。「健康を意識し毎日、体を動かす習慣ができました」や、「今まで寝たきり老人になると恐怖感、焦りがあり、まわりの情報や忠告などで運動の必要性も強く感じていた時に、今回サポート事業に参加させて頂きとても嬉しいです」などのコメントをいただきました。

Q.遠隔指導内で使用したデバイスの操作はどうでしたか?

機器操作が「簡単」「普通」と答えた方が合わせて100%でした。ITリテラシーのハードルを下げる施策として、コミュニケーションロボットの音声発話による操作を連動させたことが簡単に使えたことの一助となりました。

Q. BOCCO emoと一緒にいる生活はいかがでしたか?

「楽しかった」と答えた方が58%と会話機能ができるロボットを初めて使用した方の反応として高い回答となりました。
「ロボットとの生活は始めてだったので新鮮でした」や「BOCCO emoちゃんは家を明るくしてくれました。色々と話してくれたので楽しかった」など、生活がより良く変化したことが感じ取れました。

Q. BOCCO emoの音声発話などが今後の生活において役に立つと思いますか?

「役立つと思う」と答えた方が65%でした。「母が高齢(80歳)で別居している為、自分が訪問できない時など、見守りの役割をしてもらえるといいなと思った」「防災に関する情報、宅配弁当の注文、交通手段の予約」など、今後の使用用途の可能性(防災、見守り、介護)と、危機管理、利便性また高齢化社会の課題解決ツールになり得るかもしれないとの意見もありました。

検証開始の背景

日本の平均寿命は、男性が79.55歳、女性が86.3歳である一方で、健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳という結果が出ています。(※3)

健康寿命の延伸を目指すために重要であるのは、フレイル予防においての実証課題を解決することです。モニタリング(データ収集)、ITリテラシー、リクルート(参加と継続)の3つのハードルを下げることによって、より多くの方のフレイル予防の推進を目指します。フレイル予防をより多くの方に受けていただけるよう、結果の見える化と継続化を実現するプラットフォーム構築の実証を開始いたしました。

本サービス構築と検証は、三重県が、国内外の企業からアイデアを募集して開発のサポートや実証・社会実装の支援などを行う「クリ“ミエ”イティブ実証サポート事業」の採択を受けました。第2期の募集にて、28件から4事業者の採択のうちの1事業者として、RIZAPが採択されました。

※3:平成26年 厚生労働省調査より

検証体制について

​3社合同で、フレイル予防における結果の見える化と継続化を実現するプラットフォーム構築を実証していきます。
ユカイ工学は、ITリテラシーを問わない操作性やインターフェースのコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を用いて、高齢者の負担なくオンラインプログラムの継続的な活用を促し、健康寿命延伸への貢献へ関与いたします。

※詳細は前回のプレスリリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000015618.html

クリ“ミエ”イティブ実証サポートとは

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世の中の考え方・働き方は大きく変わってきており、感染収束後は感染拡大前の日常には戻らず、アフターコロナの新常態(ニューノーマル)となっている可能性が高くなっています。

本事業では、こうした動きに伴い発生する新たな地域課題・社会課題の解決や、「新たな日常」の実現に向けて、革新的なビジネスモデル・テクノロジーで対応しようとする国内外の大企業・スタートアップ(第二創業・企業の新規事業を含む)等からアイデアを募集し、開発のサポートや実証実験・社会実装の支援等を行うことで、地域の課題解決に繋げるとともに、三重県から、全国に先駆けて感染防止対策や新しい生活様式のモデルが構築されることを目指しています。

合同検証する2社について

株式会社JDSC
https://jdsc.ai/

JDSCは、物流最適化や需要予測、フレイル検知や教育など、基幹産業を中心とした幅広い分野で、一気通貫型の高付加価値なAIソリューションを提供しています。アルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業、ITシステムの開発と運用事業、データサイエンスに関するビジネスマネジメント事業を行い、業界全体の課題解決にAIを活用し、日本の産業のアップグレードを目指しています。

《3つの特徴》
1.AIアルゴリズムに関する技術面での豊富な知見
2.AIによる解決策の提示から実行まで一気通貫で支援するビジネス面での高い執行能力
3.大手企業との共同開発と産業横展開を両立する生産性の高いビジネスモデル

企業情報
株式会社JDSC (Japan Data Science Consortium Co. Ltd.)
代表取締役社長:加藤エルテス聡志
設立日:2018年7月23日
本社:東京都文京区本郷二丁目38-16 JEI本郷ビル8階

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RIZAP株式会社
http://www.rizap.jp/

「結果にコミットする。®」をコンセプトに、パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」を運営しています。2012年2月の1号店オープン以来、店舗拡大とともに急成長を続ける RIZAPは、一般のスポーツジムとは異なり、ゲストの夢、理想、真のニーズと本気で向き合う資質を持ったトレーナーを厳選しています。
「人生最高の体と自信、そして期待を上回る感動を提供する」ため、パーソナルトレーナーの品質にこだわり、ゲストの理想の体型の実現に全力でコミットします。
「RIZAP」の名称は、「RISE」と「UP」からできています。また、黒色背景と金色のロゴには、“どん底で暗闇の状態からでもその人が望む限り、高く飛躍でき、必ず光り輝く未来は訪れる”という想いを込めています。
現在、国内123店舗を運営。(2022年3月末現在)累計会員数は17万人を超えています。(2022年3月末現在)

企業情報
所在地:〒169-0074 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー31F
設立日:2010年5月7日
資本金:1000万円(2020年8月21日現在)
代表取締役社長:瀬戸 健
事業内容:健康に関する研究、ボディメイク事業等

BOCCO emoについて


BOCCO emoは、2015年に誕生した「BOCCO(ボッコ)」の次世代モデルのコミュニケーションロボットです。BOCCOの機能(音声メッセージの送受信、センサ連携、天気配信やリマインド機能、IoT機器との連動など)に加え、音声認識機能、ハンズフリー対話、Wi-Fi/LTEの通信方式に対応、共感を生む感情表現、ニックネーム設定、そしてAPIによるシステム連携を実現しました。様々な情報を届け、家族の一員として振る舞います。

専用のBOCCO emoアプリは、家族内でのメッセージのやりとりや、センサーの反応を確認することができる家族専用掲示板です。BOCCO emoに話しかけると、音声メッセージと音声認識でテキスト化されたメッセージがスマホに送信されます。また、スマホからはテキストか音声でメッセージを送信することができます。子どもや高齢の親などスマホを持たない家族とも簡単にコミュニケーションをとることができます。

BOCCO emoがもう1人の家族のように寄り添い、やさしいコミュニケーションが生まれることを願っています。

「BOCCO emo」 本体 主な仕様について

大切な家族との、次世代コミュニケーションツール。
あなたに共感し、心地よい距離感で永く一緒に住みたくなるロボットです。

製品情報(Wi-Fiモデル)
価格:44,000円(税込)/40,000円(税抜)
サイズ:W95×D95×H141 (mm)
重量:400g
電源:100-240V AC アダプター
Wi-Fi規格:IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz)
Bluetooth規格:4.2 LE
付属品:AC アダプター、ユーザーガイド、スタートアップガイド

受賞歴
2020年度GOOD DESIGN賞
iFデザインアワード2021賞
DESIGN INTELLIGENCE AWARD 2021

BOCCO emo 公式サイト
https://www.bocco.me/

BOCCO emo APIsについて
https://biz.ux-xu.com/

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