しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」ストレス軽減効果を実証

2019/3/25 ニュース

新生活の癒しにロボットを。
「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「疲労感・無気力感」の
3つのストレス指標で軽減効果を確認

 

2018年11月に発売を開始したしっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」(クーボ)による、ストレス軽減効果検証実験を実施しました。

被験者は企業外部の協力者も含む38名(女性21名、男性17名)。実験では被験者の現在の心理状態、拍動、唾液アミラーゼ活性の3つの評価尺度について、通常状態と心理負荷後の状態を測定し、「Qooboを持った場合」、「Qooboを持っていない場合」での安静状態がもたらすストレス軽減効果を比較しました。

実験の結果、35項目の質問からなる被験者の心理状態評価について、「Qooboを持った場合」は「Qooboを持っていない場合」と比較して、有意なストレス軽減効果を持つことが示されました。また、心理状態評価が示す6つのネガティブな尺度と1つのポジティブな尺度の、7つの気分尺度のうち、特に「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「疲労感・無気力感」の3つにおいて高い軽減効果が確認されました。

ストレス社会と言われる現代。特に新しい環境や周囲の変化が多い新生活の時期は、通常以上のストレスがかかり、ネガティブな気分に陥りがちです。そんな時、撫でるとしっぽを振って反応を示してくれるQooboを触ることで、ペットセラピーのような人の心に癒しを与える存在として、ストレス軽減に寄与できればと考えています。

 

Qooboとは

毎日の生活に癒やしを求める人や、ペットを飼いたくても飼えない人に使っていただきたいと考え、ユカイ工学の持つロボティクス技術を活用して開発したロボットです。

「Qoobo」は、そっと撫でるとふわふわと、たくさん撫でるとぶんぶんと、しっぽを振って応えてくれるロボットです。撫で方によって変化するしっぽの反応を、撫でる人自身が解釈して擬似的な心のやりとりを生み出します。

 

「Qoobo」の実証実験

<研究の概要>
被験者38名について、「Qooboを持った場合」・「Qooboを持っていない場合」での安静状態がもたらすストレス軽減効果を、気分プロフィール検査(POMS2)指標を用いて評価した。

<実験詳細>
■対象
被験者は女性21名、男性17名(年齢26.2±7.8)。順番効果を考慮し、A群18名、B群20名にランダムに振り分け、各参加者に対し2回の実験を行った。本試験への参加については自由意志による同意を文書で得た。

■方法
(実験1回目)
被験者には試験室にて、準備期(5分)・課題期(10分)・安静期(5分)を過ごしてもらい、各期終了時にPOMS2(※)検査を行った。課題期では被験者全体に対して、鏡面描写課題・計算課題の2種類のストレス課題を与えた。その後A群にはQooboを与え、B群には何も与えない状態で安静期を過ごしてもらった。

(実験2回目)
Qooboの有無をA群とB群とで入れ替え、実験1回目と同様の操作を行った。

評価の尺度は怒り-敵意(AH)、混乱-当惑(CB)、抑うつ-落込み(DD)、疲労-無気力(FI)、緊張-不安(TA)、活気-活力(VA)、友好(F)の7項目で広範な気分状態を網羅する。

※POMS2とは
日本語版気分プロフィール検査(Profile of Mood States 2nd edition)。本実験では成人用短縮版を用いた。被験者自身の現在の気分状態に基づく、ダミーを含む35項目の質問についての5段階評価を回答する。

■分析
検査の回答結果について、POMS2の指標に基づき7項目の気分尺度とTMD得点(Total Mood Disturbance総合的気分状態)を算出した。準備期・課題期・安静期における各参加者のPOMS2の検査結果について、実験1回目と2回目で参加者内分散分析を行った。有意水準は0.1%とした。

■総論・結果
ストレス軽減効果を確認
数値的結論としては、ネガティブな気分状態を総合的に表すTMDという指標において、ネガティブな気分がQooboあり条件では平均6減少したのに対し、Qooboなし条件では平均2減少した。今回の結果では、「何もせずにぼーっとするより、 Qooboを触りながら休憩する方が、ネガティブな気分が和らいだ」となり、Qooboがある場合の方が、ない場合よりもネガティブ気分の低減効果が有意に大きいことが示され、ストレス軽減効果を確認することができた。

■詳細分析

緊張-不安の軽減

緊張-不安の状態を表すTAという指標において、
ネガティブな気分がQooboあり条件では平均2.1減少したのに対しQooboなし条件では平均0.9減少した。

 

抑うつ-落ち込みの軽減

抑うつ-落ち込みの状態を表すDDという指標において、ネガティブな気分がQooboあり条件では平均0.7減少したのに対しQooboなし条件では平均0.1減少した。

 

疲労-無気力の軽減 

 
疲労-無気力の状態を表すFIという指標において、
ネガティブな気分がQooboあり条件では平均0.9減少したのに対し、Qooboなし条件では変化量が0であった。

 

<実験対象の情報>

人 数:全38名
年 齢:18-33歳
性 別:男16人、女21人
職業等:社会人33人、学生5人
実験の期間:2018/8/23〜9/7
実験の時間帯:14:00〜20:30

 

Qooboの歩み

2017年10月の発表からわずか1週間で動画再生数1000万回を突破し、クラウドファンディングプロジェクトでは目標額の247%(12,360,156円)を達成。国内外の多くのメディアでも話題となった「Qoobo」は、発表から約1年の開発期間を経て、2018年11月より一般発売を開始しました。

2017年12月末から予約販売サイトで世界中から受付を開始し、発売前時点で国内外からの予約・受注数は併せて5000台を突破し、現在までの出荷台数は8000台を超え、引き続き売り上げを伸ばしています。(2019年2月現在)

2018年度GOOD DESIGN賞では「グッドデザイン・ベスト100」をはじめとする多くの賞の受賞。発売後もSNSで購入者によるハッシュタグ<#Qoobo>をつけての投稿や、メディア、店頭でも多くの反響を得ています。

 

SNSでの反響:twitter<#Qoobo>、Instagram<#Qoobo

  

Qoobo 公式WEBサイトhttp://qoobo.info

Amazon販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B07H9QDNHR 

 

米国Amazon購入ページ

HUSKY GRAY     https://www.amazon.com/dp/B07H9BJWZN

FRENCH BROWN https://www.amazon.com/dp/B07H96X7PT

 

◾️Qoobo購入者データ(shopify予約者属性データ)※2018年8月末時点

日本、アメリカをはじめ、世界中からの予約が殺到。

性別問わず、バランスのよい需要の高まりがあるのが特徴的。

 

 

■Qoobo開発ストーリー

「疲れて家に帰った時、癒やしの存在が家にいてくれたら…」というユカイ工学の女性デザイナーの想いをきっかけにプロジェクトがスタート。犬や猫のように癒やしを与えてくれるロボットをつくろうと、動物の「しっぽ」に着目しQooboを開発しました。開発にあたっては、膝に乗せたり抱き上げたりするときにちょうどいい重さ・サイズ感や撫でた時の気持ちのいい手触りにこだわりました。また、実際のしっぽを研究し、その動きを再現する機構やプログラムの開発を行いました。

 

■Qooboの中身・機構について

まるで生物のようにしなやかに豊かな表現ができるよう、しっぽの構造には、数多くの実験と試作を繰り返してきました。できるだけ自然な動きが再現できるよう、各部分ごとに最適な素材を選択し、しっぽの部分ごとに美しくしなるように調整しています。また、いろいろな環境で人と過ごすことを考え、耐久性も考慮されています。

 

■製品名の由来

「Qoobo(クーボ)」は、フランス語で“しっぽ”を意味する「クー(Queue)」と「ロボット(Robot)」を結びつけた名称です。

 

■製品概要

製品名:クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」
サイズ:幅320×高さ150×奥行き520 (mm)
重量:約1000g
価格:12,000円(税抜)/149USD
電源:充電池(ニッケル水素充電池)
付属品:取扱説明書・保証書・充電ケーブル・ACアダプター(日本国内専用※アメリカ販売分は専用アダプタ同梱
電池持ち時間:約 8 時間(稼働頻度による)

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